友人に貸したお金を返してもらえなくて困っていると言う人が少なくありません。
小銭くらいであれば忘れているということがあるかもしれませんが、高額であればそれはあり得ません。
どんな理由にしろ、貸したものは返してもらうのが当然です。返済を請求しても誠意ある回答を示さないのであれば、法的な手段を取ることもやむを得ません。
まずその前に、自分自身で内容証明郵便など、証拠を残すような形で催告をします。
その場合は即時の返済を要求するのではなく、相当な返済期間(1ヶ月程度)を設けて返済するよう求めます。そして、従わない場合は法的手段を取ることを必ず明記します。
それでも、相手が返済に対する意思を示してこない場合は法的処置として、「支払督促の申し立て」か「訴訟の提起」のいずれかの手段を取ります。
支払督促とは?
支払督促の申し立てにおいてはお金を貸したという事実が必要なので、証拠として借用書か振込金の記載のある銀行通帳などを提出します。
なお、支払督促は借金の事実の正否に関わらず、申し立てが法律の手続きに則っていれば、自動的に発付されます。
支払督促の受領後14日以内に相手からの異議申し立てがないと、次に「仮執行宣言付支払督促」が送付され、それでも異議申し立てが行われない場合は相手の財産の差し押さえなどの手続きが可能になります。
支払督促に対し異議申し立てが出されると、裁判所での訴訟に移行します。
なお、訴訟の場合は相手の住所地を管轄する裁判所での訴訟となるので、相手が近くに住んでいれば良いのですが、他県に居る場合は訴訟の手続きが面倒になります。
仮に、訴訟になったとしても、借金が60万円以下の場合は簡易裁判所による少額訴訟になるため1日で判決がでますし、弁護士の必要もありません。
費用は請求金額の1%(50万円の請求の場合は5千円)の手数料と郵便切手代だけなので、1万円も掛かりません。また、その費用は相手に請求することもできます。
訴訟は思った以上に優しい?
ちなみに、民事訴訟は和解を優先させているため、訴訟の途中で和解することが良くあります。
そして、原告の訴えが認められる場合でも、分割払や支払猶予、遅延損害金の免除になるケースが少なくありません。
ちなみに、少額訴訟の審理は原告と被告が対峙するのではなく、裁判官と共に丸いテーブルに着席して進められるため、話し合いというイメージが強くなっています。
なお、和解調書や判決書には強制執行の権限があるため、従わない場合は差し押さえをすることができます。また、少額訴訟の判決に対して控訴をすることはできません。
友人にお金を貸した例として説明しましたが、消費者金融などのカードローン会社もこれと流れは基本的に同じです。キャッシングを即日で借りたのなら、支払いをしなければ基本的には法的手続き(訴訟)へ進んでしまいます。
業者は事務的に法的手続きに移行するため、気づいた時には給料差し押さえになってしまう可能性もあります。借金は借りたのなら、きちんと返すのが当たり前なので、守りましょう。